車の冷房の歴史:車にエアコンが付くようになるまで
撮影 Unknown authorUnknown author / CC BY-SA 4.0- 車の冷房が、どんな節目を経て今の形になったか
- 冷房の冷媒が切り替えられた時期と、その前後の取り組み
- 使い終わった車のエアコンのガスがどう扱われるか
当たり前になった車のエアコン
夏の旅では、車のエアコンがなければ移動もままなりません。今では多くの車に付いている冷房ですが、その中身は時代とともに少しずつ形を変えてきました。メーカーの社史や国の資料には、その歩みのいくつかの節目が記録されています。
自動で温度を整える仕組み
トヨタ自動車75年史によると、1981年2月に発売されたソアラには、計器盤から針をなくしたエレクトロニック・ディスプレイメーターや「マイコン式オートエアコン」など、多くの画期的な新装備が採用されました。
75年史は、ソアラの開発で「最新エレクトロニクス技術の採用」などに力点を置いたと書き、このエアコンを「多くの画期的な新装備」の一つに数えています。ソアラは、その完成度の高さが評価され、1981~82年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれました。車の冷房に、電子の技術が入ってきた節目の一つです。
冷媒の切り替えと地球の環境
車の冷房は、冷媒と呼ばれるガスを使って熱を運びます。この冷媒も、時代とともに変わってきました。トヨタの75年史の分野別環境年表には、次のような記録が並びます。
| 年 | 75年史の環境年表などにある節目 |
|---|---|
| 1981年 | ソアラに「マイコン式オートエアコン」を採用 |
| 1989年 | オゾン層保護推進小委員会発足 |
| 1993年 | カーエアコン用冷媒CFC12を新冷媒HFC134aに全車種で代替完了 |
| 1997年 | 冷媒を低減した新型エアコンを開発 |
| 1998年 | HFC134aの回収・再利用を開始 |
年表には切り替えの理由までは書かれていませんが、オゾン層保護の委員会の発足のあとに、冷媒の種類の切り替え、使う量を減らしたエアコン、回収と再利用が順に並びます。車の冷房の歩みは、地球の環境への取り組みとも並んで進んできました。
使い終わった車のエアコンのガス
車を手放したあとの冷媒の扱いも、決まりが整えられてきました。環境省によると、自動車リサイクル法は平成17年1月から完全施行されています。使い終わった車から出るフロン類は、フロン類の回収業者が回収し、自ら再利用する場合を除いて、自動車の製造業者などに引き渡され、破壊されます。
キャンピングカーにも、運転席のエアコンや、居室の冷房を備えた車があります。旅の快適さを支える冷房の裏側に、こうした長い歩みがあると知ると、夏の旅の見え方も少し変わります。
- 自分の車のエアコンの使い方を取扱説明書で確かめた
- 冷えが悪いと感じたら、整備の工場に相談すると決めた
車や旅の道具の移り変わりを知る本を開けば、身近な装備の歴史がもっと見えてきます。
車・旅の歴史の本は、価格と型番を確かめた品がまだありません。確かめ済みの車中泊の道具はグッズのページで比べられます。
グッズのページへまとめ
- 1981年のソアラには、「マイコン式オートエアコン」が採用されました。
- 冷媒は、1993年にトヨタの全車種でCFC12からHFC134aへ切り替えられました。
- 自動車リサイクル法のもと、使い終わった車のフロン類は回収・破壊されます。
次に読む車と旅にまつわる話は『歴史・雑学』のコーナーへ。冬の旅の備えも知りたい人は、前の回の『車の暖房の仕組み:エンジンの熱で温める暖房と、エンジンを止めたときの備え』を読むと、冷房と暖房の違いが分かり、季節ごとの車内の過ごし方を考えやすくなります。
出典
この記事の数字と決まりを確かめた資料です。
- トヨタ自動車株式会社「トヨタ自動車75年史 第3部 第2章 第1節 第1項 多彩な車種を投入」(確認日 2026-10-17)
- トヨタ自動車株式会社「トヨタ自動車75年史 分野別環境年表」(確認日 2026-10-17)
- 環境省「自動車リサイクルの概要」(確認日 2026-10-17)
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