泊まった場所を地図アプリに保存しておく:次の旅の候補帳
- 旅の記憶が薄れる前に地図アプリへ記録を残す理由と方法
- Googleマップ・Apple マップ・Yahoo!マップ、それぞれの保存機能の使い方と使い分け
- 泊まった場所のメモに書いておきたい項目と書き方
- 道の駅とRVパーク、それぞれの事前確認のポイントと保存のコツ
- 候補地を旅仲間と共有するときのルールと注意
- 電波が届かない場所でも地図を活用するための選択肢
- 保存した位置情報を安全に管理するポイント
記憶は、思ったより早く薄れる
旅から帰ってしばらくすると、「あの静かだった場所はどこだったか」「トイレが近かったのはどこか」が思い出せなくなります。泊まった場所を地図アプリに保存しておけば、次の旅の候補帳になります。泊まってみたい場所を見つけたときも、同じように保存しておきましょう。
保存するときは、行った場所と行きたい場所を分けておくと、地図を開いたときに見分けやすくなります。色や印を分けられるアプリなら、それを使うと便利です。
地図アプリの保存機能を選ぶ前に
複数の地図アプリに同じ場所を分散して保存してしまうと、次の旅を計画するときに情報が探しにくくなります。「候補地の管理にどのアプリを使うか」をあらかじめ決めておくと、記録がひとつにまとまって見返しやすくなります。
候補地管理に使うアプリを選ぶときは、次の点を確認しておくと役立ちます。
- 場所をリストやグループに分けて管理できるか
- スマートフォンを機種変更したときにデータがクラウドで引き継がれるか
- 旅仲間と特定のリストだけを共有できるか
- 保存した場所をそのままルート検索の経由地に呼び出せるか
主要な地図アプリはいずれも自分のアカウントにひも付いてデータが同期されます。共有の方法やグループ管理の細かい操作はアプリごとに異なるため、よく使う機能を中心に比べてみると選びやすくなります。
Googleマップの「リスト」で候補地を整理する
Googleマップには、場所をテーマごとにまとめる「リスト」機能があります。Googleアカウントでサインインして使うと、スマートフォンを変えてもデータが引き継がれます。
デフォルトで用意されているリストは「お気に入り」「行ってみたい」「スター付き」「ラベル付き」「旅行プラン」の5種類です。これとは別に、自由な名前で新しいリストを作ることができます。ユーザーが作ったリストはアイコンの種類も変えられます。
手順1 リストを作るアプリ下部の「保存済み」タブを開き、「新しいリスト」を選びます。名前と説明を入力し、「非公開」か「共有済み」を選択します。「非公開」は自分だけが参照でき、「共有済み」はリンクを送った相手も見られます。
手順2 場所を保存する地図上で保存したい施設を選び、「保存」をタップします。保存先のリストを選ぶと、その場所にピンが立ちます。リストがなければ、その場で新しいリストを作れます。
手順3 旅仲間と共有する「共有済み」に設定したリストは、共有アイコンからリンクを送ることができます。「共同編集者を招待」の機能を使うと、複数人でリストへの追加や編集が可能になります。家族や友人グループで旅の候補をまとめるときに便利な機能です。
「泊まった場所」「次の候補」「いつか行きたい」のようにリストを目的ごとに分けておくと、地図を開いたときに目的の場所が見つかりやすくなります。旅から戻ったタイミングで、訪れた場所を「行ってみたい」から別のリストへ移し替えておくと、候補の状態が整理されたままになります。
Apple マップの「カスタムガイド」とYahoo!マップの「登録スポット」
Apple マップでは「カスタムガイド」という機能を使います。マップアプリのサイドバーにある「Your Guides」の「+」から新しいガイドを作り、名前と表紙写真を設定します。地図上の場所を選んで「その他(…)」→「ガイドに追加」を選ぶと、そのガイドに場所が登録されます。ガイド内では「追加日順」「名前順」「距離順」の3通りで並べ替えができ、旅の計画を立てるときに方面でまとめて確認するのに便利です。Apple マップのカスタムガイドはエンドツーエンド暗号化の対象で、Apple が内容を参照することはないと公式サポートで案内されています。
Yahoo!マップの「登録スポット」は、Yahoo! JAPAN IDでログインした状態で施設を検索し、☆マークをタップしてグループを選ぶだけで保存できます。グループ名は自由に変更でき、メモの追加も可能です。登録スポットはスマートフォンとパソコンで共通して参照でき、そのままルート検索の出発地や経由地として呼び出せます。iOS版ではグループごとにピンのアイコンや色を変更でき、グループの表示・非表示を切り替えることもできます。キャンピングカーで出発する朝、その日の行き先を「登録スポット」からナビに渡すだけで経路が出るため、操作の手間が少なくなります。
メモに書いておきたいこと
場所の印だけでは、次に使うときに役に立ちません。印に、短いメモを付けておきます。
| メモの項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 泊まった日 | 年月と季節 |
| 種類 | RVパーク、オートキャンプ場など |
| 設備 | トイレ、電源、ゴミ、お風呂までの距離 |
| よかった点 | 静か、景色がよい、朝日が見える |
| 気になった点 | 坂が急、夜に車の出入りが多い |
| 決まり | 予約の要否、受付の時刻 |
季節を書いておくのが大切です。夏に快適だった場所が、冬には寒すぎたり、道が凍ったりすることもあります。
季節と設備の記録が役立つ場面
標高の高い場所では、夏と冬で環境が大きく変わります。夏に涼しくて快適だった場所を同じ季節に再訪しようとしても、天候や気温の条件は毎年変わります。泊まった年月に加えて、そのときの気温の印象や風の強さを短くメモしておくと、「夏のうちにもう一度行きたい」という場所を探すときの手がかりになります。
設備の記録は「あったかなかったか」だけでなく、「実際に使えたかどうか」を残しておくと実用的です。「電源は1区画1口のみで延長コードを使った」「シャワーは隣の建物にあり、受付時間が17時までだった」のように、使った経験を具体的に書いておくと次の旅での準備が判断しやすくなります。
キャンピングカーで必要な電源・給水・排水・ゴミ処理のそれぞれについて、各施設の対応状況は異なります。対応していた設備と対応していなかった設備の両方をメモしておくと、次に候補として使うかどうかを判断するときの材料になります。「電源はあったが給水はなかった」という記録が、車のタンク容量と残り走行距離を考慮した候補選びに役立つことがあります。
泊まれる場所の種類と保存のコツ
車中泊で利用できる場所は、設置の目的や設備の内容によって確認すべき項目が異なります。地図アプリに保存するときに場所の種類をメモに加えておくと、次に「電源が使える場所を探したい」「予約なしで立ち寄れる場所を調べたい」という条件で候補を絞るときに役立ちます。
| 場所の種類 | 主な特徴 | 保存時に残したいメモ |
|---|---|---|
| 道の駅 | 24時間無料の駐車場・設備は各駅による | 大型区画の有無・夜間の静かさ・周辺の温泉 |
| RVパーク | JRVA公認・電源とトイレは必須条件 | 電源口数・給排水の有無・予約方法・連泊可否 |
| オートキャンプ場 | チェックイン制・区画が明確 | 料金・サイト面積・シャワーの有無 |
| SA・PA | 休憩目的・連泊不可 | 混雑の傾向・トイレの距離 |
場所の種類を分けて保存しておくと、旅の計画を立てるときに「今回はRVパークだけで回りたい」「コストを抑えるために道の駅を中心にしたい」という選択がしやすくなります。
道の駅を候補として保存するときの目安
道の駅は国土交通省が登録制度を設けて管理しています。2025年12月の第64回登録により、全国の道の駅は1,231駅になりました。24時間無料で利用できる駐車場を持つことが登録の条件のひとつですが、大型車・キャンピングカー向けの専用区画の有無や夜間の混雑状況、連泊の可否は各駅が独自に定めています。
道の駅を候補として保存するときは、次のようなメモを付けておくと次に立ち寄るときの判断が速くなります。
- キャンピングカーや大型車向けの区画があったか
- 夜間の照明が明るすぎると感じなかったか
- 幹線道路沿いでトラックの出入りが多かったか
- 翌朝に利用できる温泉・スーパーが周辺にあったか
- 複数日の連泊が可能だったか
国土交通省の道の駅公式サイトでは全国の各駅の設備情報を検索できます。保存したメモと公式情報を照らし合わせることで、前回の訪問後に変わった点を確認できます。道の駅は設備の更新や休業が告知なく変わることもあるため、久しぶりに立ち寄る候補地は事前に確認しておくと安心です。
RVパークを候補として保存するときの目安
一般社団法人日本RV協会(JRVA)が公認する車中泊施設「RVパーク」は、認定条件として幅4m×縦7m以上の駐車スペース、1台あたり100V電源で20A以上を推奨する電源、24時間利用できるトイレ、施設から車で15分圏内に入浴施設があることなどが定められています。JRVAの公式案内によると、2026年6月1日時点で認定を受けた施設は全国に644件あります。
RVパークは事前の予約が必要なことが多く、当日の受け付けを行わない施設もあります。「到着してから予約が必要だとわかり入れなかった」という失敗を防ぐために、保存したメモに予約方法と締め切りを残しておくことをすすめます。
| 確認項目 | 記録の例 |
|---|---|
| 電源の口数と容量 | 1区画1口・20A |
| 給水・排水の対応 | 給水あり・排水なし |
| ゴミ処理 | 有料(分別必要) |
| 入浴施設の場所と距離 | 車で10分・2か所あり |
| 予約の方法と締め切り | 電話のみ・前日まで |
| 連泊の可否 | 最長3泊まで |
次に使う前に、もう一度確かめる
保存した情報は、そのときの記録です。次に使うまでに、決まりや設備が変わっていることもあります。日本RV協会のくるま旅クラブのページでは、休業中の施設があるので、使う前に各施設へ電話などで確かめてほしい、と案内しています。保存したメモは手がかりとして使い、出かける前に施設のページや電話で、今の情報を確かめましょう。
道の駅やRVパーク以外のキャンプ場・オートキャンプ場でも同様です。経営母体の変更、施設のリニューアル、季節営業への切り替えなど、前回の訪問後に状況が変わっていることは少なくありません。特に数年ぶりに候補地を使おうとする場合は、出発の数日前に施設の公式ページや電話で現在の情報を確認することをすすめます。
候補リストを見直すタイミング
保存した場所の一覧が増え続けると、実際に使いたいときに探しにくくなります。旅が一段落したタイミングで、保存したリストを見直す時間を取りましょう。
見直すときは、次のような状態で場所を分類しておくと整理がしやすくなります。
- 近いうちに計画したい候補:方面や季節が合うもの
- 再訪したい場所:よかった点のメモがあり、また行きたいもの
- 情報を更新したい場所:前回のメモが古くなっていて再確認が必要なもの
- 参考として残しておく場所:すぐには使わないが記録として保管したいもの
Googleマップのリストは複数作れるため、上のような分類ごとにリストを分けて管理できます。Yahoo!マップのグループ機能でも同様の整理が可能です。旅の計画を立てる前にリストを見直す習慣をつけると、候補地の情報が古くなったまま使ってしまう失敗を減らせます。
位置の情報を人に見せるときの注意
保存した地図を友人に見せたり、旅の記録をSNSに載せたりするときは、位置の情報の扱いに気をつけます。京都府警察の「SNSでトラブルに巻き込まれないポイント」では、顔写真や自宅など個人を特定できる写真の掲載や、GPS位置情報の公開は避けること、閲覧制限を設定することが挙げられています。
- 行った場所と行きたい場所を、印で分けて保存した
- 季節と設備のメモを付けた
- 次に使う前に、施設のページや電話で今の情報を確かめる
- 地図を人に見せるときは、自宅の位置が入っていないか確かめた
- SNSに載せる写真の位置情報を外した
地図を共有するときの注意点
総務省が策定した「スマートフォン プライバシー イニシアティブ」では、GPS位置情報は時系列に蓄積されると特定の個人の行動パターンを推定できる情報になるとして、取り扱いに特別な配慮が必要な情報と位置づけています。旅先で撮った写真や地図を共有するときは、どこまでの情報が相手に渡るかを意識しておきましょう。
Googleマップの「共有済み」リストはリンクを知っていれば誰でも参照できます。旅の計画が終わったらそのリストを「非公開」に戻しておくと、意図しない第三者が参照するリスクを下げられます。家の住所や定期的に通う場所が含まれるリストは、共有の対象から外しておくことをすすめます。
スマートフォンで撮影した写真には、撮影した場所の位置情報(Exif情報)が含まれていることがあります。SNSに投稿する前に、カメラアプリの設定かスマートフォンのシステム設定で、位置情報を写真に記録するかどうかを確認しておきましょう。自宅や職場の付近で撮影した写真には特に注意が必要です。
電波が届かない場所でも地図を使うには
山間部や海沿いのキャンプ場では、スマートフォンの電波が届きにくいことがあります。そのような場所に向かうときは、出発前に地図データをダウンロードしておくと安心です。Googleマップは、Wi-Fi環境でオフライン用エリアをあらかじめダウンロードしておくと、通信のない状態でも地図の表示とルート検索が使えます。Apple マップも特定エリアのオフラインダウンロードに対応しています。
精度の高い地形図が必要なときは、国土地理院が提供する「地理院地図」も選択肢のひとつです。地理院地図では、表示している地図の範囲をKML形式またはGeoJSON形式のファイルに保存し、次回そのファイルを読み込んで再表示できます。表示中の位置・縮尺・レイヤの情報を保持したHTMLファイルとして一時保存する機能もあります。地形の起伏や道路の状況を出発前に確認したいときに役立ちます。
地理院地図自体はオフライン動作に対応していないため、電波のない場所では表示できません。山間部のキャンプ場や林道など、圏外になることが多い場所に向かうときは、そのエリアの地図データをあらかじめダウンロードできる専用アプリと組み合わせることを検討してみてください。
まとめ
- 泊まった場所や泊まりたい場所を地図アプリに保存し、次の旅の候補帳にしましょう。
- 印には、季節・設備・よかった点・気になった点のメモを付けます。
- 次に使う前に今の情報を確かめ、位置の情報を人に見せるときは公開の範囲に気をつけます。
次に読むRVパークの仕組みは読み物『RVパークとは』へ。道の駅やSA・PAとの違いは読み物『道の駅とSA/PA』にまとめています。前の回のコラムもあわせてどうぞ。
参考にした公式情報(5件・2026年10月19日に確認)
- くるま旅クラブ(一般社団法人 日本RV協会)「日本RV協会公認車中泊施設「RVパーク」」(確認日 2026-10-17)
- 国土交通省 道路局「「道の駅」の第64回登録について ~全国で1,231駅に~」(確認日 2026-10-19)
- 一般社団法人日本RV協会「RVパークとは|一般社団法人日本RV協会」(確認日 2026-10-19)
- 一般社団法人日本RV協会「RVパークの数は全国に644件となりました - JRVA NEWS」(確認日 2026-10-19)
- 総務省 情報通信政策局「スマートフォン プライバシー イニシアティブ(SPI)」(確認日 2026-10-19)
あわせて読む
同じ分類(道の駅・RVパーク・泊まる場所)のコラム
撮影 Andy Li / CC0泊まる場所の案内に区画の広さが書かれていても、入口の幅や段差、坂の角度で大きな車が入れないことがあります。入口で起きやすい困りごとと、予約の前に施設へ問い合わせておきたい項目を、道路から施設へ出入りするときの決まりとあわせてまとめます。
撮影 Sludge G / CC BY-SA 2.0連泊の途中で、日中に車で出かけたくなることがあります。区画を空けてよいか、荷物や道具を置いていけるか、戻る時刻に決まりがあるかは施設ごとに違います。RVパークの条件をふまえて、出かける前に施設へ確かめたいことをまとめます。
撮影 Yellowstone National Park from Yellowstone NP, USA / Public domainRVパークに着いたら、まず受付や管理者に到着を伝える習慣をつけると、区画の場所やゴミ、電源の使い方をその場で確かめられます。日本RV協会が示すRVパークの条件をふまえて、着いてすぐに確かめたいことを一覧にしました。
撮影 Jaywontdart / CC BY-SA 3.0気持ちよく泊まれた施設には、ひとこと感想やお礼を伝えてみましょう。車中泊の人を受け入れる施設は、地域の人の理解と手間に支えられています。感想を伝える方法と、伝えるときの心がけ、受け入れを続けてもらうために泊まる側ができることをまとめます。
次に読む
コーナー: RVパーク・泊まる場所/読み物: RVパークとは・道の駅とSA/PA/前の回: 連泊の途中で一度外へ出かける:区画を空けるときの決まり
読み物 / グッズ / 地域のページ / 2026年7月のコラム / コラムの一覧へ





