ポータブル電源が広まった理由:電池の進歩
撮影 Tony Webster from Minneapolis, Minnesota, United States / CC BY-SA 2.0- 持ち運べる電源が身近になった背景
- リチウムイオン電池が生まれるまでの流れ
- 電池の進歩が、車中泊の電気をどう変えたか
軽くて、何度も充電できる電池が生まれた
ポータブル電源が広まった大きな理由の一つは、軽くて何度も充電でき、力の強い電池が使えるようになったことです。その代表がリチウムイオン電池です。2019年のノーベル化学賞はリチウムイオン電池の開発に対して贈られ、発表文は、この電池が携帯電話からノートパソコン、電気自動車まで、あらゆる物に使われていると紹介しています。太陽光や風力の電気をたくさん蓄えられる点も挙げています。
電池ができるまでの流れ
| 時期 | 発表文にあること |
|---|---|
| 1970年代 | 石油危機の中で、スタンリー・ウィッティンガムが研究を始め、土台を築いた |
| 1980年 | ジョン・グッドイナフが、コバルト酸化物を使う正極で4ボルトもの電圧を示した |
| 1985年 | 吉野彰が、商業的に実用化できる最初のリチウムイオン電池を作った |
| 1991年 | リチウムイオン電池が初めて市場に出た |
発表文によると、最初の電池は負極に金属のリチウムを使っていました。金属のリチウムは反応しやすく、爆発しやすすぎて実用になりませんでした。吉野彰は、負極に反応しやすいリチウムではなく、炭素の材料である石油コークスを使いました。その結果、性能が落ちるまでに何百回も充電できる、軽くて丈夫な電池ができた、と説明されています。
電極を壊さない仕組み
発表文は、リチウムイオン電池のよさを、電極を壊す化学反応ではなく、リチウムイオンが正極と負極の間を行き来する仕組みにある、と書いています。何度も充電して使えるのはこのためです。
こうした電池が、スマートフォンやノートパソコンで広く使われるようになりました。今のポータブル電源の多くも、こうした充電できる電池を大きく組み合わせた物です。家のコンセントがない場所でも、扇風機やスマートフォンの充電に電気が使えるようになったのは、この電池の進歩があったからです。
車中泊の電気の変化
かつて車の中で電気を使うには、車のバッテリーに頼るしかありませんでした。エンジンを止めたまま使い続けると、走るための電気まで減ってしまいます。持ち運べる電源があれば、車のバッテリーとは別に電気を用意でき、家で充電して持っていくこともできます。
一方で、たくさんの電気を蓄える電池は、扱い方を間違えると熱を持つこともあります。製品の取扱説明書を読み、暑い車内に置きっぱなしにしないなど、使い方の注意を守りましょう。電池や電気の道具の移り変わりは、歴史の本でたどるのも楽しいものです。
書籍は、価格と型番を確かめた品がまだありません。確かめ済みの車中泊の道具はグッズのページで比べられます。
グッズのページへまとめ
- ポータブル電源が広まった背景には、リチウムイオン電池の進歩があります。
- 1985年に実用的な電池が作られ、1991年に初めて市場に出ました。
- 何度も充電できるのは、電極を壊さない仕組みのおかげです。
次に読む車と旅の歴史の話は『歴史・雑学』のコーナーに集めています。数字で見る市場の移り変わりは読み物『数字で見る日本の市場』へ。前の回は、ランタンが灯油からLEDへ変わってきた歴史でした。
出典
この記事の数字と決まりを確かめた資料です。
- The Nobel Prize(ノーベル財団)「Press release: The Nobel Prize in Chemistry 2019」(確認日 2026-10-17)
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